マンションが新築されてから10年程経過すると、目に見えない劣化が進行している可能性が出てきます。
エントランス付近の外壁タイルやモルタルの浮き・欠損・クラック(ひび割れ)、鉄部塗装の剥がれ等の目に見える箇所は、日常的な補修や3~6年程度の周期で行われる鉄部塗装の塗り替え工事により復旧されます。しかしながら、タイルや塗装は、その下に隠れているコンクリートを保護する役割に過ぎません。
そのため、コンクリートの中性化※ などの目に見えない劣化の有無を調査し、大規模修繕工事の必要性や時期の設定を見極める必要があります。まずは専門家(設計事務所・マンション管理士・コンサル又は診断専門業者等)へ建物調査診断を依頼してください。
劣化調査により大規模修繕工事を実施することが望ましいと診断されたら、先にご紹介した「マンション大規模修繕工事の失敗しない進め方」にある発注方式を決め、公募等によりパートナー選定を進めましょう😄
当社「グン企画設計」には、数多くの大規模修繕工事に携わっている高経験技術者が在籍しております。マンションの不具合等で気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
※アルカリ性であるはずの躯体コンクリートが、塗装やタイルのひび割れ等から入り込んだ二酸化炭素により、pH値が中性へと傾いてしまうことを「コンクリートの中性化」と言います。
中性化が進みコンクリート内部の鉄筋にまで及ぶと、鉄筋が腐食しコンクリートを破壊してしまい、建物の強度にも影響します。
マンションの大規模修繕工事に向けた劣化調査では、目視調査、打診調査、触診調査が主体ですが、上記「コンクリート中性化試験」の他に、塗装やタイルの剥離落下の危険度を判定するための「既存塗膜・タイル付着強度試験」「赤外線調査」、シーリング(外壁の継ぎ目や外壁と窓等の開口部との取合い部分の隙間を埋めているゴム状の防水材)の劣化を見極めるための「シーリングダンベル試験」等の各種物性試験も行います。
また、マンションの耐震診断を行う際には、コンクリートの劣化度が耐震性能に大きく関わるため、コンクリートのコア抜きを行い「コンクリート圧縮強度試験」というコンクリートがどの位の荷重に耐えられるかを測定したり、構造躯体の鉄筋探査や建物の不同沈下調査等、様々な調査を行います。が…話が長くなってしまいそうなので😟マンションの耐震性については、また次の機会に詳しくご紹介したいと思います。